September 2017

2017年
9月17日
(祝・月)

敬老の日
【中林梧竹を訪ねて〜佐賀県小城市】
 台風18号は、南九州〜四国・関西〜北陸〜東北〜北海道と、ほぼ日本を縦断するコースを進み、各地に大きな爪痕を残しています。 残念ながら被災された皆さまには、お見舞い申し上げます。

 このサイト、4月に佐賀支社を開設して以降は、とんと活動が低迷中で、このところは月の日記書き込みを何とかキープしているところです。 固唾を呑んでページの更新を見守って戴いている多くの皆さま(?)の期待に沿えず、申し訳ありません。

小城駅@JR唐津線

 先日、佐賀支社の活動の一環で、佐賀市の西に位置する佐賀県小城市を訪ねました。 ここは、明治時代を中心に活躍した書家・中林梧竹(なかばやしごちく:1827-1913)生誕の地で、市の中心部には中林梧竹記念館があります。

小城駅から徒歩15分ほどの地にある「桜城館」 この中に中林梧竹記念館がある

 中林梧竹は幼少の頃から書を好み、早くから江戸に留学して書を学びました。 明治の初めに長崎で、清国領事の余元眉と出会ったことから、1815年に清国に渡って潘存 (1818-1893) に師事します。  その後、1830年にも清国に渡航し、多くの漢碑を携えて帰国しました。 梧竹は清国から持ち帰った多くの資料を「梧竹堂法帖」にまとめています。

中林梧竹の代表作「海外飛香」の石碑@小城高校脇

小城市内にある中林梧竹生誕の碑
 梧竹は、篆書、隷書、楷書、行書、草書の五体をよくし、明治の書道界に与えた影響は極めて大きなものでした。 特に大きな字の作品は豪快で、見ていても楽しくなります。  上の写真にある「海外飛香」は代表作の1つで、左上の「飛」の字は個性的です。

 このように文字に長けた梧竹は、日下部鳴鶴(くさかべめいかく:1838-1922)、巌谷一六(いわやいちろく:1834-1905)と並んで、明治の三筆と言われています。

 中林梧竹の故郷である小城の町では、毎年、梧竹を顕彰する書道大会が開催されています。 佐賀に縁がある書家を訪ねたひとときでした。(1)