Report 13

タイの犬たち
 タイの犬はいいですよぉ! 殆どの犬たちは,鎖やロープに繋がれることなく,野放し状態で, 上の写真のようにいつもと言っていいほど寝ています。 それも観光地の寺の境内のど真ん中や, 人が行き来する建物の玄関の前,あるいは車が頻繁に往来する路端などに,何に臆することもなく 「堂々と」横たわっています。

 タイに来る前に,医者に予防接種の相談をしたら,「狂犬病は受けといた方がいい」と言われました。 もちろん, お医者様のご忠告には素直に従って,予防接種は済ませてきました。 でも,バンコクに来てこれらの犬の姿を見るに至り, 「狂犬病の予防接種なんて,受けなくてもよかったなぁ・・・」と一瞬思ったのは,何も私一人ではないでしょう。

 ご覧のとおり,こちらの犬は,吠えるわけでもなく,走って回るわけでもなく,いつもだらしなくゴロゴロと横たわっているのです。 (誰ですか? "ウチの誰かと一緒" なんてコッソリ思っているのは?)

 タイには,左の写真のように横たわっている仏さんもいらっしゃいますので, 何も犬がゴロゴロしちゃいけないことはありませんが,日本の感覚からすると,なんだか「犬らしく」ないですよねぇ。

 ところがです,さっきの予防接種の話題に戻りますが,日本では1957年に撲滅された狂犬病ですが,タイではまだ蔓延っており, タイ全土では毎年50人ほどが感染・死亡しているとの報道もあります。

 で,その狂犬病感染の「手口」なのですが,往々にして耳にするのは,上記の人の往来の多い場所に寝ている犬を, 誤って踏んだり蹴ったりして噛みつかれるケースです。 まぁ,こちらの犬は少々のことでは動じませんから, 周辺を人が往来しても避けようとか,逃げようなどと思う犬はいない模様(犬にインタビューした訳ではありませんが・・・) です。 また,国情や宗教の影響かと思いますが,犬に対する予防接種などのシステムはまだまだ普及しておらず, 名実共に「野放し」となっている状態です。

 従って,タイ滞在中に万一犬に噛みつかれた場合は,必ず病院に行って下さい。 狂犬病は, 場合によっては死に至るケースもありますので,注意が必要です。 肝心なのは,周囲をよく見て寝ている犬を「轢かない」 ことですね。

 今となっては,出国前のお医者様のご忠告は,やはり正しかったのだと改めて実感しています。

 タイの犬と言っても,全ての犬が寝そべっているわけではなく, 中にはこの写真のように「シャキ」っとしている輩もおりますので,ここにご紹介しておきます。