Berlin Report 3.1

科学技術博物館

科学技術博物館の正面に飾られているのは封鎖された
西ベルリン地区に大空輸作戦を展開したC-47輸送機


科学技術博物館の最寄駅 Gleisdreieck

 世界でも指折りの科学技術立国,ドイツ。 その「技」は近代の歴史が証明するとおりの素晴らしさであり,またドイツの人たちも自分たちの「技」を誇りにしています。  このドイツの「技」を一般にわかりやすく紹介しているのが,ここドイツ科学技術博物館〜Deutsches Technik Museum Berlin〜です。

 ここへは前ページで紹介したツォー駅から U4 の地下鉄(Uバーン)で東へ3つ目の駅,Gleisdreieck(地下鉄であるが,なぜか駅は地上にある:笑) で降りて,徒歩5分ほどのところにあります。

 博物館の正面には1948年の西ベルリン封鎖時に10か月以上にわたって莫大な物資を運び,西ベルリン市民の命を救ったC-47輸送機が,ベルリンの歴史の証人のように飾られています。  このC-47輸送機は,1930年代中期に開発されたDC-3型旅客機〜別名「ダコタ」として名を知られています〜をベースにした軍用機で,ライセンス生産も含めると世界で1万機以上生産された航空史上最多の「ベストセラー」です。  また,こちらのページで紹介した,史上最大の空挺(落下傘)作戦であったマーケット・ガーデン作戦でも数百機が参加しています。  日本でも「零式輸送機」として生産され,戦争で使われました。 オリジナルのDC-3旅客機は,開発から60年以上経った現在でも世界の空で活躍しており,「ロングセラー」機でもあります。


1921年製 出力16kWのディーゼル機関

 さてこの博物館,かつての鉄道操車場跡の広大な敷地に建てられたもので,その規模の大きさは目を見張るものがあります。 現在は全般的に改修中で, 訪問したときも残念ながら半分は見ることができませんでしたが,それでもエンジンなどの駆動システム,発電機やモーターなどのエネルギーシステム,歴史を追った鉄道システム, ラジオやテレビ,そしてコンピュータなどの通信システムなどを見て回るのに,殆ど丸一日かかりました。

 入場料は大人3ユーロ(2002年7月現在),展示物の多さや規模を考慮すれば「コストパフォーマンス」は十分満足すべきものです。

 中に入ると,写真のディーゼルエンジンの他に蒸気機関や水車小屋など「本物のシステム」が実物大(というか,本物がそのまま)展示してあります。 屋外には船のスクリューや操舵システム, そして大きなエンジンなどもありました。 風車小屋,ビールの醸造所などなど... まぁ何ともスケールが大きな博物館です。


博物館はかつての操車場の広大な敷地を利用している


う〜ん,これは船のエンジン


電気のコーナーには電灯や数百kWクラスの発電機が展示してある

 さぁ,それでは今回見てきたこの博物館の「ほんの一部」を次ページからご紹介しましょう。

前のページへ ベルリン訪問記
トップに戻る
次のページへ