Report 7

高速道路料金のマジック
 バンコク及び近郊には,日本の大都市のように都市高速道路が整備されています。 東京の「首都高速」, 大阪の「阪神高速」或いは福岡の「都市高速」みたいなものです。 ちなみに,バンコクを離れると高速道路はありません, というより,車は少ないし道路は整備されているので,高速道路の必要性が無いのです。

 料金は「車輪の数」で決まっており,4輪,6輪〜10輪,そして10輪以上の3つに分かれています。 普通乗用車は4輪, 大型トラックなどは後輪のダブルタイヤもカウントするので,6輪以上となります。

 さて,その高速道路,2001年7月1日から値上げされました。 料金は区間によって異なるのですが, 私がいつも利用している区間は40バーツから42バーツになりました。 タイの人たちは物価の変動に敏感で, 高速道路が値上げされるや否や,少しばかり利用者が減ったようです。 まぁ,それはそれで「普通の」 値上げで済みそうだったのですが・・・。

  8月になりました。 なんと,8月11日から突然,38バーツに「値下げ」になったのです。  【上の写真の上段参照:右の緑のシートには「新料金」だった42バーツが書いてある】 ??? よくよく事情を聞いてみると,道路を管理する当局 (日本でいえば,高速道路公団に相当?)が,7月に,本来必要な国の承認のないまま,料金の値上げに踏み切ったらしいとのこと。 その後,国から値上げを認可されなかったので,7月1日〜8月10日分の値上げ額を,8月11日〜9月20日に還元すべく, 6月までの高速料金40バーツから,値上げ分の2バーツを差し引いた38バーツになったという訳です。

  日本人の感覚で物申せば,なんといい加減というか,ちゃんとステップを踏まないというか・・・。 でも,素晴らしいのは認可されなかった値上げ分を,値上げしていた期間と同じ期間「差し引いて」 還元するという発想です。 何と安易かつリーズナブルな!。 我々も見倣うところがあるのでは?(2001年10月記)