Report 23
BTSに乗ってみよう
BTSは渋滞の影響の無いバンコクの足
　バンコクの公共交通機関のひとつにＢＴＳ (Bangkok mass Transit System:バンコク大量輸送交通システム）というものがあります。　これは， バンコク市内の主要道路の上に敷設した高架軌道を走る鉄道で，別名スカイトレインとも呼ばれています。　システムは概ね日本の大都市の鉄道と同様ですので，日本人にとっては最も利用しやすい交通機関でしょう。

　このＢＴＳはバンコクの交通事情の改善（恒常的な渋滞解消）を目的のひとつとして1995年に起工，総工費550億バーツ（約1650億円）をかけ，４年の工期を経て1999年12月5日に開業しました。　

（蛇足：ちなみに，この12月5日とは「国王誕生日」で，大規模事業の開業日にはこの他に8月12日の「王妃誕生日」など，王族に関する記念日を設定するケースが多いようです。 　この理由は，このような日を設定すると，『ちゃんと計画通りに開業できるから』だとか。）

　ＢＴＳの公式ホームページ（英語版）によると，現在(2003年２月）では，平日は１日30万人ほどの利用客があるとのこと。

　さて，実際にＢＴＳに乗って見るべく，駅に行ってみましょう。　ＢＴＳの駅は全て主要道路の頭上にありますので，階段，エスカレータまたはエレベータで昇っていきます。 ＢＴＳの駅には地上からのアクセス階段がいくつかありますが，コンコースには途中に改札がありますので，全ての階段がフリーに繋がっているわけでは無いので注意が必要です。 　コンコースに上がると，下の写真のようなキップの自動販売機に出会います。　ところが，これがクセモノなのです！

紙幣が使えない(!)キップの自動販売機＋ZONEを示す路線図（左）と
キップの買い方（右）-> 1.行き先のZONE番号を押す　2.料金（コインのみ）を入れる
3.出てきたキップを取る　4.お釣りがあれば，お忘れ無く！


10バーツまたは５バーツ硬貨（上）が
無ければ窓口（右）で両替を！
行き先と人数を申告すること
英語は通じます（日本語じゃダメかも）

　ＢＴＳのシステムは，車両も含めてドイツのＳ−メンＳ社製です。　このキップの自動販売機もそうなのですが，ナント紙幣が使えないのです。 　切符を買う時にコインが無ければ，窓口に行って行き先と人数を告げると，必要最低限のコイン〜例：20バーツ区間を２人利用するべく100バーツ札を出すと，10バーツコイン４枚と20バーツ紙幣３枚〜に両替してくれます。 　なぜシ−Ｍンス社が紙幣を受け付ける自動販売機を導入しなかったのか，あるいはタイの発注者側がこのように指定したのか，コトの真相は判りません。

　さて，キップを買う前にもう一つTipsを。　タイではこのＢＴＳも含め，一般的に公共料金に「子供料金」は存在しません。　じゃ，子供はどうするの？　下の写真をご覧下さい。

BTSに「子供料金」はありません。
身長90cm以上は一律同一料金
です（左）　でもねぇ...
日曜日は140cmまで無料なんです（上）
日曜日の140cm以下無料キャンペーン
はもう終わったとのこと
（2003年２月９日確認）

　明快ですね！　というわけで，身長90cm以上が「課金対象」となります。 以前は，日曜日は140cm以下が無料でしたが，このキャンペーンは終わったとのこと。（2003年２月９日確認） 　それでは，下の写真のようにキップを購入しましょう。　日本とシステムが違うのは，コインを入れる前に目的地のZONEのボタンを押すことです。 　ご注意あれ！

BTSのキップを買ってみよう
(1) 路線図で行きたい駅をチェックし，含まれるZONEの番号のボタンを押す。

 (2) コインを投入。　上の窓にいくらコインを入れたらいいか表示されます。

 (3) 左下にテレフォンカードのようなキップが出てきます。　お釣りがある場合は右下のチェックも忘れずに！

　テレフォンカードのようなキップを入手したら，改札（日本の改札と同様）を通って，もう一つ上の階のプラットフォームでＢＴＳに乗りましょう。 ＢＴＳには時刻表はなく，数分おきに運行されています。　車両は３両編成，車内は日本と同等の感覚かな，ただ冷房が効きすぎていることが多いので，長時間（といっても，端から端まで40分ほどですが）乗る場合は， 薄手の長袖などを準備しておく方がいいかもしれません。

　バスに乗った時もそうですが，バンコクでは小さな子供には，必ずと言っていいほど誰かが席を譲ってくれます。　乳幼児をダッコしている大人に対しても同様です。　私も'99年製ワガママ娘を運搬している時には， 必ず誰かに席を勧められます。　こちらでは日本ほどお年寄りの姿を見ませんが，ある面では見習うべきかなと思います。

テレフォンカードのようなキップ
を通す自動改札口

 ＢＴＳ駅窓口での３日券（280バーツ），
１日券（100バーツ）のご案内

　ＢＴＳを降りる時は，乗る時同様改札を通りますが，購入したテレフォンカードのようなキップは戻ってきません。　このキップは「リサイクル」で再び利用されます。 　短期滞在であれば１日券（100バーツ）や３日券（280バーツ）の活用もグッドですよ。　これらは各駅の窓口で購入できます。　なお，ＢＴＳの窓口では殆どのところで英語が通じます。

　さぁ，これであなたもＢＴＳを楽しめますね。　バンコクにお越しの際は，ＢＴＳを利用して小さな発見をしてみませんか？　（2003年２月記）

　こちらに 2004年７月に供用を開始した地下鉄関連の情報を紹介しています。（2004年７月追記）

車内はこんな感じ，でも冷房効き過ぎ。

 バンコクにおいでの際はBTSをお楽しみ下さい！
2005年１月から３日間パスが廃止に

　2004年12月に訪タイの際に，BTS の駅で右のような掲示を見ました。 　BTS ではこれまで 280バーツで 3-Day Tourist Pass が売られていました。　バンコクバスマップのサイトによると，"3-Day" と書いているにも関わらず， 実際は４日間使えたそうですが。

　右の写真の如く４日間使える "3-Day" パスは，2005年１月１日から使えなく＝廃止に＝なりました。　理由は定かではありませんが，とにかく使えなくなったということです。

　ちょっと情報掲載が遅れましたが，バンコクに行かれる皆さんのお役に立てば幸甚です。（2005年１月追記）