Report 33

タイ鉄道入門
〜 ソフト編 〜
 タイには総延長 4,000km ほどの国有鉄道(国鉄)が敷設されています。 タイの人たちにとって,鉄道は長距離を比較的安く移動できる交通手段として利用されています。  他の交通機関に較べると利便性や迅速性は劣りますが,今の日本ではもう殆ど見られないような「のんびり感」は残ってますので,悠長に時間を使って旅をしたい人にはオススメかもしれません。  ここでは,そんなタイの国鉄の一部をご紹介しましょう。 このページの料金,運転便数などのデータは 2004年2月現在のものです。

バンコク〜チェンマイ(約700km)の料金比較 (2004年2月現在)
交通機関標準所要時間片道正規料金[バーツ]バンコク発1日
当たりの便数
飛行機1時間10分ビジネス297016〜18
(曜日により便数が異なる)
エコノミー2170
バ ス10時間VIPクラス6256
1 等40324
2 等32213
3 等2245
鉄 道11時間15分
〜15時間5分
1等寝台12537

(列車により編成が異なる)

2等寝台
冷房
上段691
下段781
2等寝台
冷房無し
上段531
下段601
2等座席冷房511
2等座席冷房無し341
3等座席冷房無し181

 個々の路線の紹介や旅行記などは,多くの先輩諸兄がいろいろな Website で紹介されていますので,そちらをご覧下さい。

バンコクの鉄道ターミナル,フアランポーン駅
フアランポーン駅は1910年に
建てられ,1998年に改築された

 まずは,バンコクのフアランポーン駅を紹介しましょう。 ここはバンコクから北線(チェンマイ方面),東北線(ナコン・ラチャシーマー,ウドンターニー,ノンカイ,ウボンラチャターニー方面), 東線(チュチェンサオ,サタヒップ,アランヤプラテート方面)の殆どの便と,南線(フア・ヒン,スラーターニー,ハジャイ方面)の一部の便が発着しています。 日本でいえば東京駅に相当するところでしょうか。

 バンコクにはこの他にチャオプラヤ川の西にトンブリ駅(日本でいえば新宿駅か?)があり,ここからは南線とカンチャナブリ方面の列車が発着しています。

 川の西にはもう一つ,メクロン東線の始発のウォンウィエンヤイ駅がありますが,この駅からはターチン川左岸,バンコク南西のマハチャイに繋がっているだけ(南線には繋がっていない独立した路線)で,バンコク近郊の利便性を考慮しているのか, 1日17便の列車が発着しています。 ターチン川の右岸(西側)には,バンレームからもう一つメクロン西線(これも南線には繋がっていない独立した路線)があるのですが,ターチン川に鉄橋がないため,マハチャイから船で川を越えて乗り継がなくてはならないという,何ともタイらしい乗り継ぎです。  メクロン西線は1日4往復が運行されています。

バンコク周辺の鉄道路線概念図

フアランポーン駅の Information 窓口
ここで時刻表を手に入れよう

 では,タイ国鉄の情報収集から始めましょう。 まずは時刻表の入手です。 タイでは日本や中国のように列車時刻表は売られていません,というより, 本にして販売できるほどの運行本数が無い(ホントです!)というのが「実情」なのです。

 時刻表を確実に入手できるのは,バンコク・フアランポーン駅の正面から入って右手奥の "INFORMATION" 窓口です。 ここで自分の行き先と時刻表が欲しい旨を告げると, A4 1枚の時刻表を出してくれます。 窓口は英語OK!,また時刻表は方面ごと(北線,南線,東北線,東線など)に1枚で,全部揃えても A4 4〜5枚でしょう。  これでアナタも立派なタイの鉄道通です!

 時刻表には英語表記のものがありますので,内容は理解できます。 国鉄の時刻は予告なしに(というか,タイにいてもタイ語の情報だけでは,たとえ予告がなされていても, いつ変更になるのか判らないのです!)変更になりますので,ビザの情報などと同様,必ず最新の情報を自分で確認して下さい。

タイ国鉄 北線時刻表(A4×1枚)
大混雑のフアランポーン駅切符売り場
 自分が乗りたい列車が決まったら,切符を購入します。 勿論当日でも購入可能ですが,長距離線や寝台などは60日前から予約を受け付けています。  長距離路線は時期によって非常に混雑するので,早めの予約と切符の購入をお勧めします。

 バンコクのフアランポーン駅では英語が通じますので,切符の購入は比較的楽でしょうけど,地方の駅では恐らく殆ど英語は通じない〜日本の場合は如何?〜でしょうから, 行き先をアルファベットで書くなり,タイ人にタイ語で書いて貰うなりした紙を見せるなど,準備が必要でしょう。(日本人がガイドブックを見て口にするレベルのタイ語は,殆ど通じません。)

 このページではタイ国鉄の概要,「ソフト」面を紹介しました。 次のページでは線路や車両など「ハード」面を分析してみましょう。 (2004年2月記)