それでは,流通が始まった新紙幣を具に研究してみましょう。 まずは現国王の肖像が印刷されている面からです。
大きく変わった点には,それぞれ番号を付けてみました。
- 1Aは,裏面の1Bとの「合わせ技」になりますので,後述します。
- 2 は,タイ文字の「50」の左の暗い色の部分が,これまでより少し伸びています。
- 3 はサインの位置が,従来「0」の上付近だったのに対し,新札では少し左寄りになり,「50(タイ文字)」のほぼ真上になっています。
- 4 はこれまであった透明の部分がなくなり,国王の肖像の透かしが大きくなりました。
- 5 は,アルファベットとアラビア数字による紙幣の番号の位置が,これまでの札に較べると上になりました。
- 6 はこれまで暗い感じだった部分の色が薄くなっています。 全般的に新札はこれまでの50バーツに較べると明るい感じです。
次に反対の面を見てみましょう。 この面には帯刀したラマ4世(1804-1868)がお座りになっている姿が印刷されています。 現国王の肖像が印刷されている面同様,
大きく変わっているところには番号を付けています。
- 1Bは,表面の1Aとの「合わせ技」です。 どちらも全く同じ位置に表裏で印刷されているので,透かしてみると下に示すとおり「50」と見えます。
この技術は最新の20バーツ札(こちらのページで紹介)にも使われています。
- 7 は,この部分のマークの周囲のデザインが変わっています。
- 8 は,アラビア数字の50が細身になり,スッキリした字体になりました。
- 9 は「50(タイ文字)」のデザインが丸くなり,文字左側に新たに模様が入りました。
以上,新旧50バーツ紙幣の主立った相違点を「研究」しました。 このほかにも,細かく探せば多くの「改善点」が見いだせることと思います。
タイ政府は,ポリマー製の50バーツ紙幣を向こう数年かけて徐々に新札に切り替えていくとのことです。 ここで紹介した旧札,
暫くしたら価値あるものになるかもしれませんよ。(2004年10月記) |