Berlin Report 3.3

博物館散策 その2
〜通 信 編〜

1935年のスパイ送信機 これでも当時は超小型だった
 今やコンピュータ抜きでは考えられない通信の世界。 その歴史を遡ると,年配の方々には懐かしい鉱石ラジオや真空管を使ったラジオ,夥しい数のリレーを並べた初期のコンピュータをはじめ, 日本では1950年代に実用化されたテープレコーダーやテレビなども,ヨーロッパではかなり古い時代から世の中に登場していることが判ります。

 また,ナチスのマーク入りのラジオや旧西ベルリンの放送局の送信機などから,ドイツが,ベルリンが辿った歴史を通信の世界でも垣間見ることができます。

 ここでは,火花を発生させて電波を作っていた20世紀初頭の無線通信黎明期から,現代のテレビスタジオセットまで約100年の歴史を通信の世界で辿ってみましょう。



1904年の無線送信機
火花を発生させて電波を作っていた
1916年のDeTeWe社製無線受信機
ドイツ陸軍でも使われた



左:1924年製アマチュア無線受信機(左)1935年製ラジオ組み立てキット(右)
右:アマチュア無線受信機(上)とラジオ組み立てキット(下)の英文説明


1930年代の家庭用ラジオ 左上のラジオのダイアル部分


1935年型労働者向けモデル DAF1011 型ラジオ
ヒットラーがベルリンのシーメンス工場で
1933年10月11日に行ったスピーチの記念モデル
室内用アンテナ


1936年製 Z1型コンピューター 1939年 AEG社製テープレコーダー
テープスピードはなんと!77cm/秒


通信の歴史を語る
数々の真空管
1943年製コンパクトテレビ受信機


1949年テレフンケン社製100kWラジオ送信機
旧西ベルリン地区の放送に実際に使われた
1958年のテレビスタジオの再現モデル



1899年の電信メッセージの記録

 100年の通信の歴史を駆け足で巡ってみました。 テープレコーダー=>MD・CD・DVD や,真空管=>トランジスタ・IC・LSI など,今ではすっかり姿を変えたものもありますが, かつての技術の一端に触れることができたのではないでしょうか。

 それにしても,100kWのラジオ送信機の実物が展示されているとは圧巻です。 さすが,天下のテレフンケン〜放送用送信機の世界的メーカー〜のお膝元です。 この "100kW" とは放送の出力(強さ)を示すもので, 夜は日本中で聞こえる東京のTBS(954kHz),文化放送(1134kHz)やニッポン放送(1242kHz)と同じ出力です。

 さて,ベルリンを離れる時が近づいて,この博物館巡りもそろそろ時間になりました。 ベルリンを訪問する方で,科学技術に興味がある方や家族連れの方にはオススメの場所, 軽食程度が味わえるレストランもありますので,殆ど丸1日潰すことも可能です。 時間があったら,是非とも訪ねてみて下さい。 2002年7月現在,月曜は休館でした。  詳しくは事前にホテルなどで確認下さい。


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