Europe Report 2.3

ケルンの駅にて

大聖堂の尖塔が見えてきた

 進行方向,向かって右手の車窓に,ケルンの大聖堂の尖塔が見えてきました。 次の列車に乗り換えるケルンの駅が間近です。  列車は鉄路に沿って大きく右カーブを描き,ケルンの駅に入っていきます。

 ケルンはドイツ西部のルール工業地帯に位置し,ローマ時代からの古い歴史を誇る人口100万の文化都市です。 街を南北に走るライン川は, ケルンの駅のすぐ東側で鉄橋の下を潜っています。

 ところで,オーデコロンはフランス語で "Eau de Cologne" と書きますが,実はこれ「ケルンの水」という意味。 ケルンはフランス語や英語では "Cologne" と表記されます。 
そしてこのオーデコロンの「大御所」が,この街ケルンで1792年に操業した ブランドなのです。 "4711" は, 1794年,ケルンがフランスに占領されたときに変更を強いられた番地名が由来で,現在も4711番地に店があります。


ケルン駅前に聳える大聖堂(世界遺産)
 さて,駅前にデンと聳えるこの大聖堂,高さ157m,幅86m,そして奥行は144mもあるゴシック様式の大型建築で, 1248年に着工,632年後の1880年にようやく完成したという,なんとも気の長い,とはいえ世界遺産にも登録されている素晴らしい建築物であります。

 ケルンに行ったら必見の価値あり,と判ってはいたものの,今回は次の列車までの乗り換え時間が僅かに20分あまり。 来たからには写真だけでもと, 時計を気にしつつ,重い荷物を転がしながら,あっちに行ったり,こっちに来たりしながらファインダーに収まる場所をなんとか探し,やっとの思いでシャッターを押しました。 それにしてもあまりにもデカイので,間近の駅からは写しにくかったなぁ...。



ホームの駅表示(上)
ここにはこのような「時刻表」が。(下)
 ドイツでは,どこの駅でもプラットフォームにその駅の発着時刻表が貼りだしてあります。 黄色地が出発,白地が到着の時刻表です。 ケルンの駅でも, "Koln Hbf"と書かれた駅の表示の下に時刻表が掲げてあります。 ちなみにこの "Hbf"とは"Hauptbahnhof<ハウプトバーンホッフ>"の略で, 「中央駅」という意味です。 大きな街では中心の駅が"Hbf"で,街によっては周辺に"Nordbahnhof(北駅)"や"Westbahnhof(西駅)"などがあります。

 列車を乗り換える際は,乗換駅で自分が次に乗る列車の発車時刻とプラットフォームを確認するといいでしょう。 黄色地の時刻表を見ると,発車時刻,列車番号,主な停車駅と到着時刻, 列車が入るプラットフォームなどの情報が記載してあります。 万一乗り遅れたりしても,目的地に行く次の列車を容易に探すことができます。

 私が次に乗るEmmerich行きの列車は,15:36発で,プラットフォーム(Gleis:一番右に表示)は"1 D-E"でした。 プラットフォームの"1"は,日本と同様1番フォームを指し, "D-E"は日本で言えば「軒下番号札」のようなもので,1番フォームのどの辺りに列車が停止するかを示しているものです。 ある程度要領をつかめば, ドイツの鉄道の旅も日本と大差なく楽しめるでしょう。


15:36発 Emmerich行きの列車が来ました
 15:25,次の目的地であるEmmerich行きの普通列車が,赤い機関車に引かれてプラットフォームに入って来ました。  オランダ国境至近のEmmerichは,オランダのアムステルダム行きの国際列車が往来するこの路線のドイツ側最後の駅で,ローカル列車はこの駅止まりです。

 また,ドイツは日本と同様,主要路線は,ほとんど電化されています。 従って,多くの列車が電車かまたは電気機関車に牽引される客車です。

 さて,これからEmmerichまでの2時間は進路を北西にとり,ローカル線の鈍行列車の旅です。 オランダ国境に近いこの地域,どんな風景が待ち受けているでしょうか?


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