Report 44

詳解!新100バーツ紙幣
 タイでは 2004年11月25日から,新しい100バーツの流通が始まりました。 今回はちょっと入手が遅れた編集部の情報はこちらの日記のとおりです。  一見,これまでの100バーツ紙幣と同じような印象を受ける新紙幣ですが,先の新50バーツ同様,このページで「研究」してみることにしましょう。

このほどお目見えした新札(左)とこれまでの100バーツ紙幣(右)の表裏

 今回100バーツ札が新しくなったのは,100バーツ札の偽札が出回り始めたためとのこと。 新札は旧札同様ピンクが基調で,一見,先の新50バーツ同様,あまり新鮮さは感じません。  まぁそれでも偽造防止対策のようなものが盛り込まれているようではありますが,印刷関係には素人の編集部では切り札らしきものを見いだすことはできませんでした。

 それでは,流通が始まった新紙幣を詳細に解析してみます。 まずは現国王の肖像が印刷されている面からです。

 大きく変わった点には,それぞれ番号を付けてみました。

  • 1 は,今回新たに銀色の帯がつきました。 これは 500バーツ札にも見られます。
  • 2 は,背景のデザインが従来より内側に「圧縮」され,銀帯の左側に余白ができました。
  • 3 は,100 の文字デザインが細身になりました。
  • 4a は裏面の 4b との合わせ技です,後述します。
  • 5 は,タイ文字の「100」の左の帯のデザインが変わり,丸みを帯びています。
  • 6 は,タイ文字の「100」のデザインがダイエットしています。
  • 7 は,国王肖像右側の帯が薄くなっており,また記番号の位置も上に変わっています。
 次に反対の面を見てみましょう。 この面では左方の絵で判るように,教育の重要性が印刷されています。 現国王の肖像が印刷されている面同様, 大きく変わっているところには番号を付けています。 

  • 4bは,表面の4aとの「合わせ技」です。 どちらも全く同じ位置に表裏で印刷されているので,透かしてみると新50バーツ紙幣の 1A,1B 同様「100」と見えます。
  • 8 は,この部分のデザインがやや幅広くなっています。
  • 9 は,反対の面同様,100 の文字デザインが細身になっています。
  • 10 は,この部分の背景デザインが変わっています。
  • 11 は「100(タイ文字)」のデザインが丸くなりました。
  • 12 は,背景デザインがシンプルになりました。
 以上,新旧100バーツ紙幣の主立った相違点を「詳解」してみました。 このほかにも,細かく探せば多くの「改善点」が見いだせることと思います。

 ここで紹介した旧札,暫くしたら価値あるものになるかもしれませんよ。(2005年1月記)